コラム

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虫歯を削らない治療法

[2025年02月08日]

虫歯を削らない治療法について

虫歯治療といえば、多くの人が「歯を削る」というイメージを持っているのではないでしょうか。歯医者の診療台に座り、ドリルの音を聞くだけで緊張してしまうという人も少なくありません。しかし、近年の歯科医療の進歩により、「削らない虫歯治療」という選択肢が注目されています。この治療法は、歯をできるだけ保存し、自然治癒力を活かすことを目的としています。本記事では、虫歯を削らない治療法の種類やメリット、注意点について詳しく解説します。

1.虫歯を削らない治療法の概要

削らない虫歯治療は、特にC0からC1の初期段階の虫歯に適用されます。この治療法では、自然治癒を促したり、最小限の介入で虫歯の進行を止めたりすることが目的です。以下に代表的な治療法を紹介します。

2.削らない虫歯治療の種類

2.1 再石灰化治療

再石灰化治療は、虫歯の初期段階で有効な方法です。歯の表面にミネラル成分を補給することで、酸によって溶かされたエナメル質を修復します。

・フッ素塗布: フッ素は歯の再石灰化を促進し、虫歯菌の活動を抑える効果があります。定期的なフッ素塗布により、虫歯の進行を食い止めることが可能です。

・MIペースト: カルシウムやリンを含むペーストを使用して、歯の表面に必要なミネラルを供給します。

2.2 アイコン治療(樹脂浸潤法)

アイコン治療は、初期の虫歯に対して行う新しい治療法です。虫歯部分に特殊な樹脂を浸透させ、虫歯の進行を止めることができます。削る必要がないため、痛みもほとんどなく、歯の美観も損ないません。

3.削らない治療のメリット

3.1 歯の健康を保てる

歯は一度削ると元に戻すことができません。削らない治療法では、できるだけ自然な歯を保存することができるため、長期的に見ても歯の寿命を延ばすことができます。

3.2 痛みや不快感が少ない

削る治療には痛みを伴うことが多く、麻酔が必要な場合もあります。しかし、削らない治療法では痛みが少なく、患者の負担が軽減されます。

4 削らない治療の注意点

4.1 適用範囲の限界

削らない治療法は、初期の虫歯に限られます。進行した虫歯(C2以降)には適用できない場合が多く、その場合は従来の治療法が必要です。

4.2 定期的な管理が必要

削らない治療を選んだ場合、虫歯の進行を食い止めるために定期的な歯科検診が欠かせません。セルフケアも重要で、適切な歯磨きやフロスの使用が求められます。

5.削らない虫歯治療を成功させるために

5.1 早期発見・早期治療

削らない虫歯治療を成功させるためには、虫歯の早期発見が鍵となります。定期的な歯科検診を受けることで、初期の虫歯を見逃さず、適切な処置を施すことができます。

5.2 日常の予防ケア

日常の歯磨きやフロスの使用に加え、フッ素入り歯磨き粉を使用することで虫歯予防効果を高めることができます。また、糖分の摂取を控え、バランスの取れた食生活を心がけることも重要です。

まとめ

虫歯を削らない治療法は、歯をできるだけ保存し、自然治癒力を活かす現代的なアプローチです。特に初期の虫歯に対して有効であり、痛みや不快感を軽減できることから、多くの患者にとって魅力的な選択肢となっています。しかし、適用範囲には限りがあり、日常的なセルフケアと定期的な歯科検診が欠かせません。自分の歯を長く健康に保つために、虫歯を早期に発見し、歯科医師と相談の上で最適な治療法を選びましょう。

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