コラム

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最新の虫歯治療

[2025年02月15日]

最新の虫歯治療:進化する歯科医療技術

虫歯は、長年にわたり人類の健康課題の一つとして存在してきました。しかし、近年の歯科医療の進化により、治療方法が大きく変わりつつあります。従来の「削って詰める」治療から、より痛みが少なく、歯をできるだけ削らない治療法が注目されています。本記事では、最新の虫歯治療のトレンドと、それに伴う技術革新について詳しく解説します。

1. MI(ミニマルインターベンション)治療

近年、歯科治療において「ミニマルインターベンション(Minimal Intervention)」という概念が重視されています。これは、虫歯になった部分を最小限に削り、できるだけ歯を残す治療方法です。MI治療の代表的な手法として、以下のものがあります。

① MTAセメント療法

MTAセメントは、虫歯を完全に削らずに治療できる方法の一つです。このセメントにはミネラル成分が含まれており、虫歯の細菌を殺菌しながら歯の内部を修復します。従来の詰め物と異なり、歯を大きく削る必要がないため、痛みが少なく、神経を残せる可能性が高くなります。

② アイコン(Icon)治療

アイコン治療は、初期の虫歯(歯の表面にできる白斑)を削らずに治す方法です。特殊なレジン(樹脂)を虫歯部分に浸透させることで、エナメル質の再石灰化を促し、進行を防ぎます。これにより、歯の削りすぎを防ぎつつ、見た目の改善も可能になります。

2. 3DプリンターとCAD/CAM技術の活用

最近では、歯科治療において デジタル技術 の導入が進んでいます。特に、3Dプリンター や CAD/CAM技術 を用いた治療は、より精密で短時間の治療を可能にしています。

② 3Dプリンターによるカスタム補綴物

3Dプリンター技術を活用すると、患者の口腔構造に合わせた精密な補綴物を短時間で作成できます。これにより、より適合性の高い詰め物・被せ物を提供できるため、従来よりも耐久性が向上し、治療時間の短縮が可能になります。

3. レーザー治療による痛みの少ない虫歯治療

レーザー技術の進歩により、従来の「ドリルで削る」方法に代わる レーザー治療 が普及しつつあります。

① ネオジウムヤグレーザー

ネオジウムヤグレーザーは、水分に反応して歯の組織を蒸散させることで、ほぼ無痛で虫歯を除去できる 技術です。さらに、レーザーには殺菌効果があるため、治療後の感染リスクを低減できます。

4. 再生医療を応用した新しい治療法

歯科医療では、再生医療 の研究も進んでおり、今後の虫歯治療に革命をもたらす可能性があります。

①バイオフィルム除去による虫歯予防

バイオフィルム(細菌の集合体)は虫歯や歯周病の原因となります。最近では、特殊な酵素やナノ粒子を使って バイオフィルムを分解・除去する技術 の開発が進んでおり、これが実用化されれば、虫歯の予防が飛躍的に向上すると期待されています。

まとめ:最新技術で変わる虫歯治療

近年の虫歯治療は、「できるだけ削らず、痛みを少なく、歯を残す」 方向へ進化しています。

・MI治療(最小限の侵襲で虫歯を治療)
・3DプリンターやCAD/CAM技術 による精密な補綴物
・レーザー治療 による痛みの少ない治療
・再生医療技術 による歯の自己修復

これらの技術革新により、虫歯治療はさらに進歩し、将来的には 「虫歯になっても削らずに自然に治る」時代が来るかもしれません。今後も、最新の歯科医療技術に注目していきましょう。

最新の削らない虫歯治療
湯島なかがみ歯科

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